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窓・サッシの構造について
2022.9.15リフォームのコト
窓は結構複雑な構造をしています!
イーグル建創で行っている雨漏り診断の統計では2022年度最もトラブルの原因となっていたのは窓周り。その数は53件と全体の30%を占めていました。窓は外壁に穿った開口部にはめ込まれているものです。サイディングのような一枚のボードではなく、窓ガラスや水切り、シャッター、シーリング、防水処理と様々な構造が複雑に重なり合う部分です。そのため、強度や耐久年数において単純な強固さを持っているわけではありません。この記事ではそんな窓の構造について図で見ていこうと思います。
窓はどうやってつける?
窓は知ってのとおり、家の内側と外側を開閉によってつなぐことも分けることもできるものです。そのため、開口部といわれるように窓をつける部分は外壁や防水シート、ボード、断熱材等が存在しません。住宅の建設過程をご覧いただいたことのある方はご存知だと思いますが、壁部のパネルを立ち上げているときに窓に当たる部分が四角く切り取られた状態で組まれています。
壁の組立時に作られたこの穴にサッシや窓を構築する様々な部品が組み合わされていきます。
上記画像は現在主流な外壁材であるサイディングボードを設置する際の、一般的な開口部周辺構造を図式化したものです。
構造用合板
構造用合板は外壁構造の下地となる方板のことです。この板が外壁の前段階として家の側部を覆い、外壁を支えます。構造用合板の設置は木造軸工法の場合、間柱に行われます。2×4工法の際はパネルと柱が一体となっています。
先貼り防水シート
先貼り防水シートはサッシと木材の間に施行する防水シートです。雨仕舞を良くする効果があります。
透湿防水シート
透湿防水シートは構造用合板の上に施行される防水効果のあるシートです。古くからのモルタル外壁の場合は通用の防水シートが設置されていますが、現在は湿気を逃がす通気工法が用いられているため、湿気を逃がしやすい透湿防水シートが一般的に施工されています。
通気胴縁
胴縁はサイディングボードの設置に必要な細い角材です。サイディングには縦と横の貼り方向があり、図のような横貼りの場合は縦方向の胴縁が用いられます。また、通気胴縁というように壁内の通気を取ることが目的の一つでもあり、隙間を作って設置されています。
サッシ外周胴縁
サッシまわりを収めるために必要な木材です。
サイディングボード
工場で生産されるボードタイプの外装材。色々なタイプやパターン、カラーがあります。
シーリング
ボード間の間に入れるシーリング。図では表現していませんが、ボードアンカーというものを入れてシーリングを打ちます。
次にサッシの設置についての図式です。サッシはまず開口部の下地木材に取りつけられます。サッシの周囲を囲むように両面防水テープを張ります。その後、サッシ外周胴縁を設置します。
開口部やサッシ廻りの防水処理について
次に開口部に対して行う防水処理についてみていきます。最初に施工する水きりシートをはじめとして、防水テープ二種、透湿防水シートと4種類の防水処理を施します。
窓やサッシで起こる雨漏りの原因
窓周りで起こる雨漏りはどのような原因で発生するのでしょうか。
1、サッシから延びる外壁のクラック(ひび割れ)
外壁のひび割れは劣化現象の一つとして注意をしなければいけませんが、窓枠と接している場合にはより注意をしなければいけません。窓周辺の防水処理が多い理由はこのようなひび割れから浸水は起こったときに内部に浸透しやすいからです。充分な処理を行っていても、多量の水が入ることで内部の劣化や徐々に浸透していく水により雨漏りが発生することがあります。また、開口部付近は通常の壁よりも弱く、揺れなどによるクラックが発生しやすい箇所です。窓枠へのひび割れが見られた際にはよく注意していください。
2、サッシ廻りのコーキングの劣化
揺れや衝撃を吸収するコーキングは紫外線や温度変化によって劣化のしやすい箇所です。シール部分は劣化するとひび割れや痩せなどの変化を起こし、浸水を起こしやすくなります。定期的な塗装工事を行っていれば、工事の度に打替えや打増しによって良好な状態を保つことができていると思います。よく日の当たる面では劣化が早いので注意して見てみましょう。
3、窓の隙間
引き違い窓にはわずかながら隙間があります。交差して開く窓の動きをスムーズにするためです。豪雨や風の強いときには窓に吹き込むように雨が当たります。その際に少しずつ隙間から浸水していく恐れがあります。特に鍵を閉めていないときは窓の密着が緩んでいる状態です。強い雨が降る際や風に吹かれて窓に雨が当たる場合は施錠やシャッターなどの防護策をとりましょう。
4、水切り
水切りは窓周りの雨仕舞をするために取り付けられる部材です。経年による劣化でのゆるみや施工不良に寄り隙間が生じてその間から雨水が吹き込む恐れがあります。
5、サッシ上部の屋根
住宅の構造は内部に浸水した雨の通り道となり、思わぬところに雨漏りとしての被害を出すことがあります。上から下へ流れる雨水はこの図のように屋根の下にある窓をごく素直な出口として選びます。窓からの雨漏りと思っては実は侵入経路が屋根であるという事例も多々見られます。
6、施工不良
築年数の浅い建物で大きな地震や台風などの影響もなく、雨漏りが発生している場合はそもそもの施工不良を疑うことも必要です。コーキング処理の甘さや取り付けの不備、防水処理のトラブルといった初期不良が考えられます。
窓は雨漏りが発生しやすいのでよく注意をしましょう
この記事では窓周りの構造から防水処理、雨漏りの原因についてまとめました。イーグル建創では雨漏り調査を行う専門部隊によるトラブル解決に努めています。雨漏りかもと不安に思ったら、イーグル建創にご連絡ください。
イーグル建創の雨漏り診断
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