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「一畳、一坪、一間?」住宅でよく聞く単位について
2019.9.28マメ知識
尺貫法と呼ばれる単位系
建築業界や不動産業界では日常では使用しない単位で大きさや長さを表現します。一寸や一尺といった単位は「尺貫法」と呼ばれる中国に起源を持つ日本古来の度量衡で用いるもので、家づくりには欠かせない単位表現です。
ホームセンターや家具屋さんで買い物をするときに「1820mm」や「910mm」または「303mm」といった中途半端な長さを目にすることがあると思います。現在主流のメートル法では違和感がありますが、この独特の長さは尺貫法の単位に由来するものです。この記事はそんな数字に少しでもなじむことができるように作成いたしました。
尺貫法の単位について
まずは建築業界で良く用いられる長さに関する尺貫法の単位についてみていきます。よく聞くのは「尺」や「寸」といったもの、今のメートル法に照らし合わせるといったいどのような数字なのでしょうか。
こうしてみると一寸法師って本当に小さかったんですね。また八丈島の島名もこういったところからとピンときますよね。しかし、八丈島の八丈は島のサイズではなく、島で古くから作られていた絹織物に由来します。八丈島の絹は年貢とされてきたほど有名で、その絹織物の長さが「八丈」なので、それが島名になったといいます。
一畳・一坪ってどのくらいの広さ?
次に広さの単位について紹介いたします。長さの単位に比べてさらになじみの深い「畳」や「坪」といった単位についてみていきます。
一畳×2で一坪というのは覚えやすいですね。ホームセンターなどで販売されているコンパネやダンプラなどもおおくは「3(尺)×6(尺)」の一畳サイズで「サブロク板」ともよばれています。
「坪」=「㎡」=「畳」
坪数に対して、㎡や畳数を換算すると下記のような計算になります。ここでは「畳」を「1.65㎡」で換算していますが、後述のように畳の大きさには地域や年代による仕様の違いによって変動があります。
畳の大きさ
畳には主に「京間」「中京間」「江戸間」「団地間」の4種類があり、おなじ長兄の形をしながらも微妙にサイズが違うため、同じ6畳の表記でも最大「2.27㎡」の開きがあります。同じ畳でありながらどうして大きさが違うのでしょうか。ここには畳の基準値である「一間」の長さがサイズごとに変わっていったことや。関東と関西での立て方の違い、また団地などの共同住宅において独自の間取りサイズが作られていったことが背景にあります。
また、ご紹介する4種以外にも「琉球畳」という正方形の物があります。
上記表で「6畳」を見ても、一番大きい京間に比べて団地間は約79%と2.27㎡も違います。表の一畳の一覧を見るとお分かりの通り、一畳以上のサイズ差が出ています。京間のサイズが採用されている関西から関東の江戸間や団地に引っ越す際に狭く感じるのは間取り以外にこういったからくりがあるからです
体積と質量についての単位
そして、体積と質量の単位をみていきます。こちらは日常生活では「升」や「合」、「斗」などが耳なじみあるものだと思います。お酒やお米を測るときに用いられる単位ですね。
体積の単位
リットル表記で表すと「18」とい数字が頭に来ます。「180㎖」を表す「合」を基準として考えるといいでしょう。合は黄鐘管(こうしょうかん)という中国の音律を決める笛に由来する単位です。その笛には水が満たされているのですがその2倍の量、2つ「合」わせた量を測るものだったそうです。
質量の単位
質量の単位もまたまた分かりにくい中途半端な数字がでてきました。こちらは「両」の37.5gを基準として考えます。両も黄鐘管(こうしょうかん)に由来し、笛に入れる12粒のキビを二つ合わせた24粒の単位として用いられていました。その重さは約14gだったそうです。ではなぜ日本では37.5gかというと、江戸時代の両替商が量りに用いていた分銅の重さが単位となったからです。ちなみにその十分の一の単位「匁(もんめ)」は真珠の質量を計測する単位として国際的に用いられています。
尺貫法は現在では主流ではない?
1951年に計量法といわれる法律が制定されました。この法律は適正な軽量の実施を目指し、経済の発展と文化向上に寄与しようというものです。この法律で徐々に軽量基準が改まり、1958年末をもって尺貫法での軽量値は取引や証明に用いることができなくなりました。しかし、現在でも尺貫法は現役で活用されています。というのも建築建材の多くが昔から変わらず尺貫法に基づいたサイズで作られており、一言で表す便利な単位は尺貫法の中にしかありません。もちろん、不動産や建築の契約などで用いられる書類にはメートル法が用いられていますが、広告や販売資料などでは坪表記が多く、坪単価という言葉もよく耳にします。
尺貫法を活かしてみよう!
数字としては覚えにくい尺貫法ですが、概ねこんな感じという測り方があります。まず一間(=1818mm)ですが、一間をアバウトに測るときには両手を大きく横に広げるという方法があります。両手を広げると身長とほぼ同じ長さになります。身長がピッタリ182.0cmという方はまさに「一間」を測るために生まれてきたようなサイズ感ですが、それ以外の方でも適用可能です。大切なのはある程度のサイズ感を把握するということです。建築物の間隔は概ね「1818㎜」を基準としており、半分の「909㎜」やさらにその半分の「455㎜」が住宅の隅々に潜んでいる数字です。手を広げて少し余るくらいの大きさは概ね一間に近いため、家電や家具を選ぶ際の参考にすることができます。909㎜は三尺の長さとなり、石膏ボードや畳、ベニヤ板の幅と同じ大きさです。これは手を広げた時の体の半分の大きさと考えることができます。また、455㎜は大体肘から指先までの長さがあたります。この感覚を覚えておくと、大きさを測る際に手で「このくらい!」と形を作りその形が崩れないように動いたり、または忘れないように頑張ったり必要がなくなってきます。体の全体か半分から先かと基準にすると今までよりも覚えやすくはありませんか。
ちなみに天井の高さは一般的に2400㎜。約8尺(=2424㎜)程度。ドアなどの建具は2000㎜。約6尺6寸です。
覚えるのが一番ですが、覚えなくても身体で測る!
この記事ではなかなか覚えにくいものの良く利用される「一間」や「一坪」のお話をしました。覚えておくと少し物知り顔ができますが、身体を使ってアバウトに測るやり方は実践的に用いることができます。身体によってさらっとある程度の大きさを測ることができるとなんだか玄人の職人ぽくって、こっちの方がかっこいいかもしれません。生活の知恵としてご活用ください。
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